リーダーの人間行動学詳細

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仕様:四六判 250ページ 価格1,500円+消費税
ISBN978-4-86265-276-8

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内容

はじめに

 お釈迦様は人を見て法を説くことができたとされる。相手の教養程度や性格を考えながら説法をされたのだろうが、考えてみればお釈迦様のように一人ひとりの性格や能力に応じて指導を行えることこそ指導力の源泉といえるのではなかろうか。

 そこで、本書では、リーダーが部下一人ひとりの個性を的確に把握し、またそれに基づいて適切な指導ができるようにするためのアプローチを紹介していこうと思う。

 こうした指導ができるためには、リーダーは各人の個性を的確に分析できる人間理解力が必要になる。では、どうしたら我々は人間についてより深い理解力を得ることができるだろうか。私の答えはこうだ。

 人間行動というのは、でたらめに起きるわけではない。背後には必ずその人独自の行動基準があり、人はそれに従って行動している。特に大事な場面ほどそうなる。行動基準とは究極的にはその人の価値観そのものでもあるのだ。したがって、我々はそれを素早く的確につかむ訓練をすればよいのである。これに関してはすでによい理論があるので、本書ではそれを紹介すると同時に、その理解を促すためのケースを用意している。

 次に、相手の行動基準を判断する場合に、注意しなければならない点があるので指摘しておこう。それは判断するさいに客観性を保つということである。

 相手の行動を判断する場合、「相手の立場になって考えよ」と忠告されることが多いが、私にいわせればこれはやや甘い考え方であり、また、たいへん誤解を招きやすいフレーズである。なぜならば、とかく人は相手の立場に身を置きながら、自分の行動基準で考えてしまうからである。

 正しくは相手の立場に身を置き、なおかつ相手の行動基準で考えることが必要である。この二つの条件が満たされないかぎり、なかなか客観的な分析や評価はできない。本書では、この点を理解するためのケースを用意している。

 さて、こういった態度で自分のまわりにいる人間をていねいに観察していくことはたいへん有意義なことなのであるが、実はまだ問題が残っている。肝心の観察相手の種類が少なすぎるケースがよくあるからだ。

 実際、我々がつきあっている人間の範囲はそれほど広いものではない。サラリーマンであれば、会社関係者、顧客、業界関係者などがつきあいの中心になるだろう。職人、芸術家、あるいは格闘技家などとつきあうことはめったにないだろう。

 そこで、我々はできるだけ人間観察の範囲を広げる工夫をしなければならない。そのために、いろいろなサークルに首を突っ込むことは大事だ。だが、それはなかなかたいへんなことでもある。また、そういう人と出会っても、よい観察機会が得られるとはかぎらない。

 それを補う方法として私がお勧めするのは、歴史上の人物を取り上げ、その人物の行動を分析することだ。

 本書では特殊な状況に追い詰められた人間の行動を詳しく分析している。人間はそのようなとき自己の本質を赤裸々に表すから、題材として非常に適しているのである。ちなみに本書で取り上げた人物は、探検家スコット、乃木希典、大村益次郎、ショパンと愛人のサンド、最澄と空海である。

 本書で、以上述べてきた考え方を網羅しつつ、読者が学びやすいように二部構成の形をとっている。

 第一部では、人間行動学の基本的な考え方を紹介している。人間行動学ではどういったアプローチで人間を見ていくか、基本的なポイントが理解できるようにした。

 第二部では、人間行動学においてとりわけ重要である行動基準のパターンについて詳しく解説している。ここでは基本的な知識の提供と、それに基づく歴史上の人物分析、さらには私の事例を示し、読者の理解を深めるようにしたつもりだ。

 これまで述べてきた人間分析の方法は私自身が行ってきたものであり、自信をもって読者にお勧めできる。それに加えて最後の章では私の実践例も簡単に紹介しておいたので参考にしていただければと思う。

 本書を通じて多くの読者が人間を見る力を強化できるなら、筆者としてこれに勝る幸せはない。
                             佐藤直曉

目次

はじめに

第一部 人間行動学の基本的な考え方を学ぶ

	第一章 リーダーの人間行動学概論
		1 指導のカスタマイズ
	第二章 相手の行動から行動基準を考える訓練
		1 探検家スコットの南極探検
		2 スコットの行動分析
	第三章 正常行動と異常行動を識別する訓練
		1 乃木希典の不可解な行動
		2 乃木の軍事行動

第二部 行動基準のパターンを学ぶ

	第四章 行動基準パターンの基礎知識
		1 体癖概論
		2 体癖別の感受性
	第五章 大村益次郎
		1 神業のような作戦をたてる無愛想な司令官
	第六章 ショパンとジョルジュ・サンド
		1 正反対の二人が出会うまで
		2 幸福な生活と離別
	第七章 空海と最澄
		1 空海と最澄の台頭
		2 対立の火だね
		3 空海の怒りと決断
		4 交わることのない最澄と空海の行動基準
	第八章 実践応用へのヒント
		1 幹部の評価を依頼される
		2 元気になった先生


詳細目次

内容
はじめに
第1部人間行動学の基本的な考え方を学ぶ
第1章リーダーの人間行動学概論
第1節 指導のカスタマイズ指導力の源泉は個別対応能力
指導の壁
野村流指導法に合う人・合わない人
部下をほめない理由
困ったリーダーいろいろ
人間行動学から考える上司対策
行動基準から対策を考える
第2章相手の行動から行動基準を考える訓練
第1節 探険家スコットの南極探検アムンセンとスコットの南極点一番乗り競争
スコットの最初の南極探検
極点一番乗り競争スタート
なぜスコットは犬を選ばなかったのか
極点隊員を一人増やしたスコット
ヒント
注釈 社会的背景
第2節 スコットの行動分析プロジェクト成功の条件
二人の答えはどこからきたのか
スコットの行動基準とは?
過去の行動を考える
スコットの癖
第3章正常行動と異常行動を識別する訓練
第1節 乃木希典の不可解な行動理想の武人以前
軍旗喪失の恥辱
ドイツ留学とその後の心境変化
乃木の矛盾した行動を考える
ほかにもある矛盾した行動
恵比寿顔と仏頂づら
乃木将軍の行動パターン
家族に対する態度
加藤清正を崇拝する乃木希典
第2節 乃木の軍事行動人情に厚い将軍?
人情に薄い将軍?
乃木将軍の軍事行動と行動基準
勇敢な将軍?
悲しい兵隊
金州城外
第2部行動基準のパターンを学ぶ
第4章行動基準パターンの基礎知識
第1節 体癖概論野口晴哉
体癖論とは
腰椎との関係
体癖論の進展
第2節 体癖別の感受性上下型1種:毀誉褒貶にうるさい一言居士
上下型2種:千慮千惑の心配屋
左右型3種:好き嫌いに感情タイプ
左右型4種:不快な感情がこもりやすいタイプ
前後型5種:利害得失に明るい合理主義者
前後型6種:行動力の伴わないアジテーター
捻れ型7種:勝ち負けにこだわる闘士
捻れ型8種:義理人情に厚い戦わない戦士
開閉型9種:異常な愛憎と集注力の持ち主
開閉型10種:すぐかばい込む鷹揚なタイプ
難破船のクイズの答え
より深く体癖を学びたい方へ
歴史上の人物分析をする意味
第5章大村益次郎
第1節 神業のような作戦をたてる無愛想な司令官はやらない村医者
大村の出世
かわいげのない性格
官軍司令官になった大村
大村の対策
他人に口を挟ませるのが嫌いな9種
上野の戦争計画を一人でたてた大村
上野戦争の経過
豆腐への執着
9種の直観力
大村益次郎についての疑問
第6章ショパンとジョルジュ・サンド
第1節 正反対の二人が出会うまでショパンの青年時代
ショパンの孤独癖
呼吸器の弱い6種タイプ
ショパンの演奏会
ショパンを支える人々
異常なジョルジュ・サンド
ショパンとサンドの出会い
正反対な性格の二人
第2節 幸福な生活と離別ノアンでの暮らしと創作
体調の悪化
姉との再会を喜ぶショパン
破局の前兆
モーリスの敵意
事態は破局へと進む
破局の原因
二人の破局に関する私の見解
10種の包容力
社会活動をするサンド
第7章空海と最澄
第1節 空海と最澄の台頭空海の出自
空海の特質
最澄の出自
最澄の特質
最澄のテーマ
最澄の思考特性
空海と最澄の入党前後の事情
密教の灌頂
空海の登場
高野山に入る空海
空海の躍進
奈良仏教に対する空海の態度
第2節 対立の火だね最澄の経典借用申し入れ
最澄の失望
最澄の立場
最澄の代替手段
新たな経典借用申し入れ
空海の拒絶の手紙
くどくどしいほどの比喩
最澄の反応
新たな問題
代筆する空海
法身仏と応身仏
手紙の結び
第3節 空海の怒りと決断不可解な空海の行動
空海の思想的テーマ
空海の弁証法
プロセスを重視する空海
他州派を排斥しないプロセスの論理
最澄の思考特性
空海と最澄の入党前後の事情
努力を認める空海
空海はなぜ代筆をしたのか
最初の代筆
代筆の内容
思想的論議は空海の真意か
突き放された最澄
なぜ最澄は反論しなかったのか?
円澄と空海の関係
第4節 交わることのない最澄と空海の行動基準最澄の生涯にわたるテーマ
最澄の革新的提案
最澄の総合化事業
厳格な最澄
その後の最澄と空海
因果は巡る
第8章実践鷹揚へのヒント
第1節 幹部の評価を依頼される三つどもえの構図
幹部の首実検
非常手段
営業部長との面談
工場長との面談
報告書の要旨
認めて人材を活かす
第2節 元気になった先生A先生の悩み
研究会のスピーチ
ホームヘルプの話題から戦略論へ
戦略と戦術
フィニッシュ
研究会のあとで
新しい観念を提示する
あとがき