たまにはコーチングから題材を選んでみた3

前回の続きで、今日はコーチングの人たちがいうところの「友好派」について取り上げます。

(注:本家アメリカのコーチング界では、「サポーター・タイプ:人をサポートすることを好み、協力関係を大事にするタイプ」と呼んでいるようです。友好派という言い方はニュアンスが少し違うようにも思いますが。

10種とは


はじめに、引用先から。
引用:成功するITマネージャーの「人づきあい術」:4つのタイプに応じた効果的なコミュニケーション術 - ITmedia エンタープライズ

周囲と和を保ちたい「友好派」

「友好派」は協調性があり、気配り上手で、忍耐強い半面、「いい人」になりたがるために対立を避け、受動的になる傾向がある。その根源には、「周囲と和を保ちたい」という欲求がある。

「友好派」は、チームメンバー同士の接着剤としてチームがよくまとまる原動力に「なり得る」。

「なる」と断言しないのは、「友好派」個人のパフォーマンスをITマネージャーの立場で判断すると、期待通りにならないケースが散見されるからだ。

「友好派」は個人のタスクを処理する前に、困っている周囲に手を差し伸べてしまう傾向がある。そのため、自分で多くのことを抱え込み、業務がなかなか前に進まないことがあるのだ。

自分の守備範囲を超えて業務を進める姿勢は、大いに評価すべきことであるが、まずは自分の守備範囲を守らなければならないということを、しっかりと認識するよう指導していく必要がある。

ITマネージャーとしては、「友好派」には業務を抱え込ませすぎないよう、次のようなコミュニケーションを取り、本音を引き出すことがプロジェクトを進める上で効果的である。

「友好派に対する効果的なコミュニケーション方法」

  • うかがいを立ててから、話をする
  • 考えや感情を知ることに十分時間をかけ、承認する
  • 周囲の人たちに役立つことを強調する
  • 成功のために手を貸すことを伝える
  • 同様に不安を乗り越えた事例を示す
  • 陰日向ない努力、支え、配慮を認める
  • 決断を急がず、時間を与える

「友好派が嫌がるポイント」

  • 鈍感、短気、急な変化
  • 不安を無視される
  • 賛同を合意と誤解される
  • 考えや気持ちを話す機会を与えられない
  • 早口でまくし立てられる

では、感受性分析でこのタイプを考えてみましょう。

特に注目されるのは「「友好派」は個人のタスクを処理する前に、困っている周囲に手を差し伸べてしまう傾向がある。そのため、自分で多くのことを抱え込み、業務がなかなか前に進まないことがあるのだ。」

これを読むと、開型10種の傾向が見られます。他のタイプも混じっているようにも見えますが、10種の傾向がいちばん強いと思います。

開型10種というタイプは、困っている人がいると、つい可哀想になって手を貸してしまうタイプです。

その点で、冒頭の「友好派は「いい人」になりたがるために対立を避け、受動的になる傾向がある。その根源には、「周囲と和を保ちたい」という欲求がある」というのとは、ちょっと違いますね。これはどちらかというと、2種的な感じです。

和を保ちたいというよりは、何事も鷹揚であるから。また、それ以上に、頼まれるといやといえない質なのでしょう。「いい人になりたがる」というのとも違うようです。

営業の電話がうるさくかかってきても、つい出てしまって、悪くてなかなか切れない。そんな人がいますが、10種的だなと思う。私だったら、さっさと切る。どうせ買わないのだから、さっさと切らないと相手の時間も無駄にさせると思うから。このあたり、感受性の違いが出ます。

10種の例としてよくあげられるのは、捨て猫をいっぱい飼っているおばあさん。そのネコがどれもかなりひどい状態で、目がつぶれていたり、足が1本ない状態という具合。

つまり、弱者とか未熟な者にすごく同情して、手を貸してしまうタイプなのです。ですから、病人の看護人としては全タイプ中最も優秀です。非常に気を配ってよい看護をします。

もっと言えば、弱い者をしゃにむに抱え込んでしまうタイプ、とでも言えばいいか。病人でなくとも、困った人にはつい同情します。だから、借金をお願いするならこのタイプがいちばんよさそうです。

ただし、最初は警戒しています。本当に信頼していい人間か、見極めるまで慎重です。でも、ひとたび心を許せば、とっても親切にしてくれます。

仕事でも、頼まれるといやとはいえず、つい手助けしてしまう。

社会のために役立つ仕事をすると、このタイプは成功しやすいと言われますが、これも同じような理由でしょう。

で、説得するときはそれを逆手にとって、「社会に役立つことだ」とでも言えば、説得力はきっとアップするでしょう。でも、嘘はいけませんよ。見抜かれますから。

気持ちが大事なのは、閉型9種と同様で、このタイプの特徴でしょう。合理性より、気持ちです。

でも、結構事務作業、管理業務はうまいのです。そのあたりが私にはよく理解できません。しかし、ともかく事務職をさせれば案外うまいのです。

行動特性は非常にゆったりしていること。スローなんです。9種の早さとは対極でしょう。だから、上で「早口でまくしたてられるのがきらい」というのもわかる気がします。

体系的には、でっぷり太った感じです。ゆったり、鷹揚。

感受性分析を学ぶと、コーチングの人たちが気づいていない多面的な人間性を勉強できると思いますよ。


◆初めての方に

人間の価値観には10種類あります。そのどれを重視している人かを見極めると、リーダーシップが格段につきます。

コミュニケーションスキルと感受性の知識を併せ持つことが、これからのリーダーにとって、たしなみになるということです。

例題:いつも言っていることなので、よくご存じの方にはおわびします。

船が座礁してしまい、乗客は救命ボートに乗り移ろうとしました。ところが、人数が多すぎて、何人かは岸まで泳いでいかなければなりません。どうやって説得するか。

イギリス人には
「ジェントルマンらしく行動してくれ」

ドイツ人には
「船長の命令である」

イタリア人には
「君は飛び込むな」

アメリカ人には
「保険に入っているから大丈夫」

日本人には
「みなさん、泳いでいますよ」

傑作なジョークですよね。いつも笑ってしまいます。

しかし、これはなかなか含蓄のあるジョークでもあります。つまり、人間は何によって動かされるかということなんです。

結局、人間はすべて合理的に行動しているのです。ただ、その合理性が他の人と一致しないだけなのだと思います。

その合理性とは、結局のところ価値観といえます。何を大事にしているか、ということです。

イギリス人は社会的名声をとても大事にしている。

アメリカ人は経済的利益をとても重視しています。

日本人は、組織の中での調和を重視しています。

これは人間の価値観の類型です。ですから、日本人のなかにも、イギリス人的価値観やアメリカ人的価値観をもっている人が当然おります。

ですから、説得のためにコミュニケーションを行おうとするとき、相手の価値観をしっかり認識しないと、まるで外国語で話しかけるようなことになりますね。
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■『リーダーの人間行動学――人間を見る力を鍛える』(鳥影社)
体癖論の感受性理論をベースに、歴史上の人間(探険家スコット、乃木希典、大村益次郎、ショパンとサンド、空海と最澄)の行動分析を通じて、感受性の解説を行っております。営業折衝や対人折衝にとても役立ちます。一部立読みが可能です。
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■こちらも併せてお読み下さい。
リーダーのコミュニケーションスキルに関する参考書籍
『リーダー感覚 人を指導する喜び』(鳥影社)
ほめる訓練から説得の作法、リーダーの条件などについて詳しくまとめています。L研リーダースクールでは、実践的な研修を用意していますが、そのテキストです。

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