たまにはコーチングから題材を選んでみた2

前回の続きで、今日はコーチングの人たちがいうところの「理論派」について取り上げます。

(注:本家アメリカのコーチング界では、「アナライザー・タイプ:行動の前に多くの情報を集め、客観的に分析したがるタイプ」と呼んでいるようです。日本風に言えば「分析屋」と言えるでしょうか)

2種とは


はじめに、引用先から。
引用:成功するITマネージャーの「人づきあい術」:4つのタイプに応じた効果的なコミュニケーション術 - ITmedia エンタープライズ

「理論派」は事実やデータを重視し、正確性と分析力がある半面、完璧主義者であるため、行動が慎重であり、変化に弱い傾向がある。

その根源は、「正確にやりたい、失敗したくない」という欲求である。この欲求は業務の進め方に顕著にあらわれる。

「理論派」のメンバーにタスクを割り振るときには、目的と納期をできるだけ明確にして、指示をする必要がある。

可能であれば、指示内容を簡単なメモや資料にしておくとなお良い。さらに良いのは、「なぜあなたに頼むのか」という理由を示してあげることだ。その理由に納得すると、「理論派」は確実に成果を上げる行動をとる。

「理論派」はまるで自身がコンピュータープログラムのような存在であり、本人がタスクを処理しやすい(つまり最大限の成果を上げやすい)ようにインタフェースのパラメーターが決まっている。

入力のパラメーターさえ間違いなく指示できれば、出力はほぼ完璧なものが仕上がる頼もしい存在である。

ただ、他人からみると入力のパラメーターが細かすぎると思われることも多く、多忙な中で「そんなにかまっていられない」というのが本音ではないだろうか。ITマネージャーとしては、できるだけ明確に指示することを心がけよう。

一方で「理論派」本人は足りない入力パラメーターを、テストケースのように数パターン自分に入力して、曖昧な中でも業務を進め、周囲にあの人は面倒だと思われないようにする工夫が必要になる。具体的には次のようにすると良い。

「理論派に対する効果的なコミュニケーション方法」

  • すぐに本題に入る
  • 礼儀をわきまえた話し方をする
  • 論点を明確にして、話をする
  • 事実やデータを題材に、話を広げる
  • 論理を尊重し、背景や理由を引き出す
  • 質問に対して、明確に答える

「理論派が嫌がるポイント」

  • なれなれしく個人的な話題から入られる
  • 無秩序、間違い、個人の努力へ批判される
  • 裏づけ、根拠のないおおまかな数字(表現)を使われる
  • 論理を否定される
  • 利点、長所のみを伝え、欠点、弱点を隠される
  • 資料を見ているときに話しかけられる
  • 自分の得意な分野だけを話される

というのがアナライザーの特徴ということのようです。これを見ると、感受性分析で言う上下型2種に近いように思います。

2種というのは、私の考えでは、やたらと細かいことまで知りたがる。要するに「幹と枝葉」の区別がつかないようです。

2種の質問攻めには閉口します。そんな細かいことを聞いて何の役に立つのかと思いますが、本人はそれを知らないと落ち着かないのでしょう。

上の引用で「他人からみると入力のパラメーターが細かすぎると思われることも多く」というのはこのことでしょうね。

一言で言えば、役人そのものです。頭は良くて優等生なのですが、真っ白なキャンバスに絵を描けと言われると全然だめ。その代わり、これこれの条件で絵を描けというと非常にうまい。

分析はいいが、構想はだめ。だから戦略はだめです。先例やお手本のテキストがないとだめ。でも、テキストがあれば非常にうまくできる。

ルールを守ることについては、非常にうるさい。責任を逃れる方便かもしれませんがね。ルールや慣例を守っていれば、とりあえず非難されることは少ないですから。

上のコーチングの人たちの視点で欠けているのは、人間の本質的なところや心理特性です。表面的な仕事上の特性や機能ばかりを述べているのが弱い。

2種というのは、自分に対する自信がない。そのためか、非常に書かれたものに弱い。新聞記事とか雑誌に出ると、すぐ信じてしまう傾向があります。

それから、噂に弱い。人が言った言葉よりも、出所のわからない噂の方を信じる。被暗示性が非常に強い体質なのです。

ほかにも、肉体的な特性を考えるべきでしょうね。2種は神経過敏なため胃潰瘍的症状をきたしやすい。

責任をとる立場にたつと、特にそうなります。基本的に責任をとりたがらないタイプ。経営者になるより、セカンドとか参謀の方がいいと思っている。

このあたりは、感受性分析を学ぶともっと人間がわかるようになると、私は思っています。


◆初めての方に

人間の価値観には10種類あります。そのどれを重視している人かを見極めると、リーダーシップが格段につきます。

コミュニケーションスキルと感受性の知識を併せ持つことが、これからのリーダーにとって、たしなみになるということです。

例題:いつも言っていることなので、よくご存じの方にはおわびします。

船が座礁してしまい、乗客は救命ボートに乗り移ろうとしました。ところが、人数が多すぎて、何人かは岸まで泳いでいかなければなりません。どうやって説得するか。

イギリス人には
「ジェントルマンらしく行動してくれ」

ドイツ人には
「船長の命令である」

イタリア人には
「君は飛び込むな」

アメリカ人には
「保険に入っているから大丈夫」

日本人には
「みなさん、泳いでいますよ」

傑作なジョークですよね。いつも笑ってしまいます。

しかし、これはなかなか含蓄のあるジョークでもあります。つまり、人間は何によって動かされるかということなんです。

結局、人間はすべて合理的に行動しているのです。ただ、その合理性が他の人と一致しないだけなのだと思います。

その合理性とは、結局のところ価値観といえます。何を大事にしているか、ということです。

イギリス人は社会的名声をとても大事にしている。

アメリカ人は経済的利益をとても重視しています。

日本人は、組織の中での調和を重視しています。

これは人間の価値観の類型です。ですから、日本人のなかにも、イギリス人的価値観やアメリカ人的価値観をもっている人が当然おります。

ですから、説得のためにコミュニケーションを行おうとするとき、相手の価値観をしっかり認識しないと、まるで外国語で話しかけるようなことになりますね。
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■『リーダーの人間行動学――人間を見る力を鍛える』(鳥影社)
体癖論の感受性理論をベースに、歴史上の人間(探険家スコット、乃木希典、大村益次郎、ショパンとサンド、空海と最澄)の行動分析を通じて、感受性の解説を行っております。営業折衝や対人折衝にとても役立ちます。一部立読みが可能です。
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■こちらも併せてお読み下さい。
リーダーのコミュニケーションスキルに関する参考書籍
『リーダー感覚 人を指導する喜び』(鳥影社)
ほめる訓練から説得の作法、リーダーの条件などについて詳しくまとめています。L研リーダースクールでは、実践的な研修を用意していますが、そのテキストです。

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